
JOURNAL
コーヒーと、仕事、人生。
仕事、生き方、手放せないもの。人を知るインタビューとESSENTIALS。
コーヒーと、仕事、人生。
仕事、生き方、手放せないもの。人を知るインタビューとESSENTIALS。

MY ESSENTIALS
街の音も聴いていたい。長谷川ミラがイヤホンを二つ持つ理由。
ラジオでも声を届ける長谷川ミラが、街では有線イヤホンを選ぶ理由。二つのイヤホン、ノート、香りに聞く、場所に合わせた過ごし方。
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INTERVIEW
自信がなくても、打席に立つ。ジョージが挑戦を続ける理由。
自信がなかった出発点から、動画づくり、商品づくり、次世代の育成へ。ジョージの活動の広がりと、挑戦を続ける考え方を辿る。
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MY ESSENTIALS
乗ると気分が上がる。ジョージの毎日をつくる、3つの愛用品。
先輩から贈られたMATE × MONCLER、自社のカラビナ、長く使うFitbit。受け継ぐ・作る・使い続ける、ジョージの3つの愛用品。
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INTERVIEW
トマトを、同じ形に切らない。料理人Tai Masakiの矜持。
トマトは形を残して切り、一口に入る大きさから調理を考える。揃える技術を身につけた先で、料理人Tai Masakiは何を選び直しているのか。厨房と日常の具体から辿る。
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INTERVIEW
街で見た親子の会話が、一本の動画になる。Ananyaの作り方。
日本語を独学し、2023年から日本へ。街の会話をメモして撮り直すAnanyaの制作過程と、言葉を学び続けた理由を辿る。
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こだわりの成分から、味、飲み方まで。気になることから読んでみる。
COFFEE CLUB JOURNAL
愛用品と、その人の日常 / MY ESSENTIALS
街の音も聴いていたい。長谷川ミラがイヤホンを二つ持つ理由。
モデルとして活動し、J-WAVE「START LINE」のナビゲーターも務める長谷川ミラ。バッグにはAirPodsと有線イヤホンの両方を入れている。集中したいときも、街の音を聴いていたいときもある。その使い分けから、ノートや香りを持ち歩く理由まで。移動する日々を、自分のペースで過ごすための道具を紹介してくれた。

声を届ける仕事と、街の音を聴く時間
J-WAVEの番組公式プロフィールでは、モデルやラジオの仕事に加え、クリエイティブチーム「jam」やコミュニティカフェ「UM cafe」を手がける活動も紹介されている。異なる人や場所に関わるミラに、今回は毎日持ち歩くものを聞いた。
ミラが紹介するのは、有線のイヤホンとAirPods。有線を使っていて気づいたのは、聴いている音声に街の音が混ざる感覚の心地よさだった。それ以来、有線も持ち運ぶようになったという。
周りの音が入ってくることを、ここでは気に入っている。聴きたい音声があり、その外では街が動いている。両方が耳に届く状態を選べるよう、一本のコードもバッグに入れている。
集中したい場面では、AirPodsのノイズキャンセリングを使う。同じ移動時間でも、何を聴きたいかはその日で変わる。二つ持っておくことで、周囲との距離を自分で選べる。
聴く仕事の外でも、音との距離を選ぶ
ラジオで言葉や音楽を届けるミラが、街では周囲の音も聴いていたいと話す。その違いが面白い。音声に集中する時間と、音声を聴きながら街にいる時間を、道具で使い分けている。
有線イヤホンを持つ理由は、予備のためとも、音質の優劣とも説明していない。本人が気に入ったのは、使っていたときの聴こえ方だった。すでにAirPodsを持っていても、別の心地よさがあれば残しておく。二つ持ちの理由は、バッグの中身を最小限にすることより、その日の自分が選べることにある。
J-WAVE「START LINE」は、好奇心から自分のしたいことを探す番組として紹介されている。ミラが取材で語るのも、自分に合った使い方を見つける話だ。機材の紹介が、場所や気分に合わせてどう過ごしたいかという話に変わっていく。

ノートは、上手に書かなくてもよかった
ノートとペンを使い始めたのは、あまり眠れなくなった時期に、ヨガの先生から書いてみたらと勧められたことがきっかけだった。頭の中でもやもやしていることを、まず紙へ移してみる。
当初は、ノートを書くなら上手に書かなければいけないとか、いろいろなルールがありそうだと感じていたという。けれど実際にしているのは、頭にあるものを書き出し、自分の目で見られる場所に置くことだった。
書いたものが手元にあれば、忘れずにいられる。頭の中にあったことを紙の上で見返す。そのためのノートとペンを持ち歩いている。
ここでノートは、人に見せる完成品ではない。うまく書くことや、きれいにまとめることに気を取られていた頃から、自分の頭の中にあるものを置いておく道具へと、使い方が変わった。筆記具の銘柄や特別な書式より、書き出して自分で見るという手順が中心にある。
ミラ自身は、それが自分の安心につながったと振り返る。誰にでも同じ変化があるという方法論ではなく、困っていたときに試し、自分に合っていたから続けている習慣として聞きたい。持ち物の話に、使い始めるまでの経緯があることで、ノートが必要な理由も分かる。
いつもと違う仕事場へ、いつもの香りを
ハンドクリームやミストなど、香りのアイテムも持ち歩く。仕事では、現場ごとに新しい場所へ行くことが多い。自分のスペースではない場所で、自分の気分を切り替えるために使っているという。
香りは、自分の気分やモードを切り替えるためのもの。ミストは香りが強すぎないものを選ぶ。持ち歩く理由としてミラが語るのは、初めての場所でどう過ごすかということだった。
何も持たずに切り替えられる人はそれでよい、とも付け加える。誰にでも必要な持ち物を決めるのではなく、自分の場合は何があると過ごしやすいか。初めての現場へ向かうバッグには、そのために選んだ小さな道具が入っている。

人と話せる場所も、自分で作ってきた
持ち物の外側にも、ミラの選ぶ「場所」がある。2022年3月に開いたUm cafeは、社会のことを知ったあとに、人と話せるコミュニティスペース。意見が違っても、相手を尊重して話す経験ができる場を作りたかったという。
ミラは、発信するだけでなく、自分で見聞きする時間も増やしたいと話す。ラジオやSNSで伝える仕事と、人の話を聞き、自分の考えを確かめる時間。街の音も耳に入れていたいという持ち物の話を、そのまま活動の理由に置き換えることはできない。ただ、彼女の一日には、発信する側と受け取る側の両方の時間がある。
バッグの中に、選び直せる余地を持つ
イヤホンは、その場で聴きたい音に合わせて選ぶ。ノートには、頭の中に置いていたことを書き出す。香りの道具は、初めての現場でも、自分が過ごしやすい状態へ近づくために使う。それぞれの役割が分かると、持ち物の数が多いか少ないかとは別の見方ができる。
ミラは、何も使わずに気分を切り替えられるなら、それでいいとも話していた。自分が使っているものを、誰にとっても必要なものにはしない。その距離感も、彼女の持ち物選びの一部だ。新しい場所へ行く日にも、慣れた道具がいくつかあれば、自分で選べることが残る。
参考リンク
COFFEE CLUB JOURNAL
その人の考え方と、生き方 / INTERVIEW
自信がなくても、打席に立つ。ジョージが挑戦を続ける理由。
YouTubeグループ「カリスマブラザーズ」で活動してきたジョージ。動画づくりから商品づくり、次世代のクリエイター育成へと活動を広げている。けれど、COFFEE CLUBのインタビューで振り返った出発点には、自信がなかった。始める前の不安と、動いたあとに得られる自信。その順番について話を聞いた。

自信は、始めから持っていたものではない
世の中にインパクトを出せるものを表現したい。その思いが根底にあったと、ジョージは話す。やりたいことがある一方で、自分への確信まで揃っていたわけではない。当時は自信がなかったと振り返る。
活動を通じて手に入れたものとして挙げたのが、「積み重ねた自信の数」だった。自信は挑戦を始める前に用意できていた条件ではない。動いてきた時間を振り返って、得られたものとして語られている。
動画を作る側から、事業を支える側へ
その経験がどこへ広がったのかは、公開された活動からも辿れる。2020年3月、iFundは、JJコンビのジョージとジローらが参画するベンチャーキャピタルの設立を発表した。発表では、それ以前から二人がスタートアップへの個人投資を行っていたことも説明されている。
当時の方針として挙げられたのは、立ち上げ初期のIT企業への投資と、インフルエンサーとして培った発信力による支援だった。動画を作って人に届けてきた経験を、別の作り手の事業にも生かそうとする活動だ。
COFFEE CLUBのインタビューでも、ジョージは自分を動画の活動だけでは紹介していない。投資など、いろいろなことに取り組んでいると話している。挑戦の対象は変わっても、自分が実際に経験して判断したいという言葉は、そのままつながっている。
作る経験を、次に始める人へ渡す
2025年8月、BitStarはジョージとジローが新人育成プロジェクト「BitStar Next」の特別講師に就任すると発表した。自分たちの制作経験を、これから活動を始めるクリエイターに伝える役割だ。
自分が表現することから、誰かが表現を始める場に関わることへ。公開された活動を辿ると、インタビューで語る「経験」が、次の仕事にもつながっていることが分かる。
発表された育成プログラムには、個別面談や、動画の企画・撮影・編集へのフィードバックが含まれている。成功談を一度話すだけでなく、実際に作る工程を見ながら関わる内容だ。経験を渡すという言葉が、制作の具体的な作業に結びついている。
就任時のコメントでも、ジョージは、最初の動画を投稿したことが人生の変化につながったと振り返っている。完成したキャリアを前提にするより、最初に一本を出した日へ話を戻す。その語り方は、今回の取材で出てきた、自信がなかった頃の話とも重なる。

慣れた場所に、とどまらない
居心地のよいところにずっといると成長しない。そう考えて、居心地の悪いところへ行こうとしているという。慣れたやり方で進められる場所から、自分がまだ十分に知らない場所へ移ることを選んでいる。
それが挑戦したい気持ちにつながっているのかもしれない、と本人は説明する。何かを始めるときに、不安が消えるまで待つという話ではない。知らない場所で経験を増やすことを、自分の選び方にしている。
居心地が悪いという言葉を、苦しければよいという一般論にする必要はない。ここで本人が話しているのは、自分の成長のためにどんな場所を選んできたかということ。慣れた場にいれば通じるやり方も、新しい仕事では試し直すことになる。
動画、投資、商品づくり、育成。それぞれに必要な経験は違う。活動の名前だけを並べると華やかに見えるが、本人の言葉には、始める前に分かっていなかったことへ向かう感覚が残っている。
できると思う。けれど、難しい
起業すること、プロダクトを作ること、YouTuberになること。ジョージは、そうした挑戦は何歳からでもできると思う、と話す。一方で、その難しさについても話している。
難しくても諦めず、打席に立ち続けることを大切にしているという。始める可能性を認めながら、続ける難しさも省かない。誰もが同じ結果にたどり着けるという約束より、自分が選び続けている行動を話している。
最後に語ったのは、自分で経験し、自分なりに選ぶこと。いろいろな場所で経験を重ね、自分にとってよいもの、最高だと思えるものを見つけていく。その過程を大切にしたいと語った。
持ち物の選び方にも、経験が残っている
別企画のESSENTIALSでは、尊敬する先輩にもらった自転車、自社で作るカラビナ、長く使っているFitbitを紹介してくれた。人から受け取ること、自分で作ること、日々使って選び続けること。インタビューで語った経験が、手元にあるものの話では具体的な姿を持つ。
自信についての話を聞いたあとで持ち物を見ると、製品名だけでは分からない理由にも目が向く。誰にとっても正しい答えを集めるのではなく、自分が使い、関わり、よいと感じたものを見つける。その過程を重ねてきた人の話として、二つの記事を続けて読んでみたい。
参考リンク
COFFEE CLUB JOURNAL
愛用品と、その人の日常 / MY ESSENTIALS
乗ると気分が上がる。ジョージの毎日をつくる、3つの愛用品。
尊敬する先輩から贈られた白い自転車。自分の会社で作る、波の形のカラビナ。そして、撮影時点で5年以上使っているというFitbit。クリエイターのジョージが紹介した3つの道具には、受け取った経緯、作る側の工夫、使い続ける感覚がそれぞれある。本人の話とブランドの背景から、その持ち物を辿る。

世界1,000台の自転車が、先輩から自分のもとへ
最初に登場するのは、MATE × MONCLER。ジョージはこの一台を、尊敬する先輩からもらったものだと紹介する。限定モデルの名前に先立って、誰から受け取ったのかという話が出てくる。
MATEの公式資料によると、このコラボレーションは2020年のミラノ・ファッションウィークで、Moncler Geniusの一環として発表された。発売台数は1,000台限定。ファッション以外のブランドとして初めて同プロジェクトに加わったMATEが、移動の道具にMONCLERの世界観を重ねたモデルだ。
白いモデルの名はPEAK WHITE。雪に覆われた山頂から着想を得て、タイヤまで白で揃えている。フレームのバッテリー部分には専用のキルティングカバーも付く。服を着るように自転車を仕立てる、その発想が細部に残っている。
ジョージが気に入っているのは、乗るだけでモチベーションが上がること。乗り心地のよさや、坂道で感じる楽さも挙げていた。映像では実際にこの自転車で走る姿を見せ、手放せない一台だと話している。
贈られた経緯を話したあとに、乗り心地の話が続く。ブランドが込めたデザインの背景と、本人が日々使って感じるよさ。その両方から、この一台の輪郭が見えてくる。
限定品であり、実際に乗る道具でもある
この自転車の話では、希少さと使い心地が同じくらい具体的だ。限定台数を紹介したあとに続くのは、坂を走るときの感覚や、乗ると気分が上がるという本人の実感。手に入れた経緯だけで話が終わらない。
白いタイヤや大きなフレームは、映像でもよく目立つ。そのデザインを眺めることと、移動のために使うことが、一台の中に収まっている。手放せないと話す理由を聞くと、何台作られたかという数字の先に、日々の乗り心地がある。
贈り物には、選んでくれた相手との関係も残る。ジョージが最初に伝えたのは、その先輩を尊敬しているということだった。誰から受け取ったか、どんな姿が好きか、使ってみてどうか。一台を大切にする理由が、紹介の中で順に増えていく。

波の形に、好きなものをつないでいく
二つ目は、Leona & Co. Hawaiiのカラビナ。こちらは自身の会社の商品だと説明する。海沿いを思わせる波の形に、鍵や飾りをつなげて使っている。
面白いのは、ジョージがその使い方を一つに決めていないところだ。いろいろなものをつなげられ、自分でアレンジを加えられる。腰に付けた姿も見せながら、留め具としての便利さと、装いに加えたときの見た目の両方を話す。
ブランドが現在紹介しているAloha Charmの公式説明を辿ると、バッグや鍵にチャーム、ビーズ、コードを組み合わせ、自分の持ち物に表情を加えるという考え方が紹介されている。ジョージが映像で楽しんでいる「つなげて変える」使い方は、ブランドのものづくりとも重なっている。
Leona & Co. Hawaiiは、RisaとGeorgeが家族としてできることを探す中から始まったブランドだという。公式サイトでは、売上の一部をEB Research Partnershipを通じた表皮水疱症の研究支援に届けていることも明らかにしている。手元の小さな道具の背景には、二人が続けている活動がある。
留め具を、毎日見たくなる形に
カラビナについて、本人は見た目の質感にも触れていた。手軽な留め具というイメージに対して、装いの一部として付けたくなるものにしたい。その違いを、波を思わせる輪郭や、ほかのものをつなげたときの姿で説明している。
自転車が先輩から受け取ったものなら、こちらは自分が作り手として関わるものだ。映像では、何を付けるかを使う人に委ねる余地を楽しんでいる。鍵をまとめるだけでなく、手元にあるものを足す。その人の持ち物と組み合わさって、見え方が変わる。
ブランド公式サイトが現在提案するAloha Charmも、バッグやキーリングに取り付けて使うものとして紹介されている。日用品を自分の装いに合わせるという考え方が、現在のコレクションにも続いている。

3代目のFitbit。続けられる理由は、軽さにある
三つ目のFitbitでは、話題がぐっと身体に近づく。ジョージが最初に挙げるのは、寝ているときにも気にならない軽さだった。機能を順に紹介するより先に、身に着けたときの感覚を話している。
撮影時に使っていたものは、本人の記憶では3代目くらい。使い始めてから5年以上になると思う、と振り返る。買い替えながらFitbitを使い続けているという時間の長さが、その軽さの話に説得力を添える。
眠っているときに気にならない、という選び方は具体的だ。画面の大きさや機能の多さを比べる前に、長い時間、体に触れていても負担に感じないかを見ている。毎日使うものだからこそ、身に着けたときの小さな違いが、使い続ける理由になる。
これは撮影時点での本人の使用感で、機種や計測機能を比較する話ではない。ジョージが伝えていたのは、何度か買い替えてもこの道具へ戻ってきたことと、その理由として軽さを挙げたこと。生活の中で選び直してきた時間が、愛用品の説明になっていた。
乗るたびに気分が上がる自転車。好きなものを足していけるカラビナ。眠る時間にも身に着けていられるFitbit。目を引くデザインと、気にならない着け心地。ジョージの持ち物には、その両方を選ぶ余地がある。
参考リンク
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その人の考え方と、生き方 / INTERVIEW
トマトを、同じ形に切らない。料理人Tai Masakiの矜持。
東京・北沢のクレープカフェ「ØC tokyo」のメニューを手がけてきた料理人、Tai Masaki。イタリアで料理を独学し、デンマークではシェフとして働いた。トマトを切るとき、彼は形によって包丁を入れる方向を変える。切り終わってからも、その実ならではの姿が分かるように。厨房での小さな選択に、Taiが料理で大切にすることが表れる。

切る前の形を、皿の上に残す
丸いトマトは、断面を見せるように切る。特徴のある形をしたものは、縦に包丁を入れる。同じ方向で切ってしまえば、せっかくの姿が分からなくなる。Taiは、そのトマトの形を残せる切り方を選ぶ。
緑色のトマトにも、使い分けがある。赤くなる前の未熟な実ではなく、緑色の品種。中央をスライスして並べ、端の硬さがある部分もサラダに使う。同じ一個から取れたものでも、食感は一様ではない。端の部分は、一皿のアクセントになる。
Taiが大切にしているのは、野菜や穀物など、素材そのもののおいしさだ。
素材自体の味を楽しむという考えは、ØC tokyoのシュガーバタークレープにも通じる。生地、バター、砂糖という少数の素材でつくる一枚では、材料の選び方がそのまま味に関わる。野菜の料理では、切る方向や大きさも、残したいものに合わせて変えている。
同じ大きさに切れる。そのうえで、揃えない
食材を包丁で均一に切るか、手でほぐすか。Taiは、食べるときにどれくらいが一口に入るかも、その判断の基準にしている。
一つずつ別々に食べるわけではなく、いくつかがまとまって口に入る。そのとき、大きさが違うものが合わさるほうが、一体感が出ると考えている。皿の上で寸法を揃えることより、一口になったときのまとまりを見ているのだ。
均一に切る仕事は、Tai自身も経験してきた。きちんとできるようになったうえで、自分の考えで方法を選ぶ。その順序を大切にしている。どこまで揃えるかを、自分で決めている。
18歳で渡ったイタリアでは、店で食べた料理を、市場で材料を買って家で再現した。イタリア料理店に勤めたわけではなく、食べて作ることを繰り返し、独学したという。誰かの料理を真似て覚えることも、自分の料理をつくる過程にあった。

献立は、野菜を買ってから考える
献立が決まっていない日は、売り場で気になった野菜を買い、帰ってから何にするかを考える。近所の店で選ぶほか、農家から直接届けてもらうものや、週末のファーマーズマーケットで買うものもある。
ナスに桃を合わせることも、Taiにはその延長にある。食材のつなぎ方を話すときに挙げるのが、DJだ。曲をどうつなぐかで流れが変わるように、料理も組み合わせ方の引き出しを増やせると考えている。
音楽から受け取るのは、組み合わせの発想だけではない。テクノの中で一度だけ現れ、耳に残る音。その感覚を、一皿の小さなアクセントにも重ねている。
小さな瓶で、道端の草を見る目が変わった
Taiは小さな瓶を集め、草や花を生けている。大きな花瓶では収まりにくい、短い野草も飾れるサイズが気に入っている。
以前、草を見るときには、食べられるかどうかを考えていた。瓶に生けるようになってからは、どう飾ればきれいか、という見方も加わった。歩いているときに目へ入る草が、食材の候補だけではなくなる。小さな瓶に水を入れれば、家で眺めるものにもなる。
草を生けることは、料理の盛り付けを考えるきっかけにもなっているという。
素材を見るとき、自分からの視点だけでなく、その素材の側から自分を見たらどうか、とTaiは考える。調理の途中でその視点に立つと、予定していた手を止め、別の方法を選ぶこともあるという。

十代から続いている、友人に料理をつくる時間
料理は、Taiにとって幼い頃からの習慣だった。中学生の三年間は、自分で弁当を作って学校へ通った。料理を職業にしようと決めた瞬間も、はっきりとは思い当たらないという。
十代の頃から、地元の友人を家に呼び、食事を作ってきた。自分の人生を豊かにしてくれる仲間のために料理をする。Taiはそれを、いちばん長く続けている遊びだと捉えている。料理が仕事になってからも、その楽しみは続いている。
普段も、会いたい人がいる店へ足が向く。食事やコーヒーがおいしいことに加えて、知っている誰かと何でもない話ができる。その時間があると、一日を楽しかったと思えるという。
この日、クレープに合わせたのはCOFFEE CLUB。Taiたちは、焼き上がったクレープを食べながら、一緒にコーヒーを飲んだ。
ØC tokyoへ
ØC tokyoは、東京・北沢のクレープとコーヒーのカフェ。Taiはこの店のメニューを考え、プロデュースしている。
店づくりのきっかけは、オーナーからクレープのカフェを開きたいと相談されたことだった。Taiが提案したのは、自分が暮らし、料理してきたデンマークの感覚を取り入れることだった。
東京都世田谷区北沢5-27-16 KMK 1F。ØC tokyoへの経路をGoogleマップで見る
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その人の考え方と、生き方 / INTERVIEW
街で見た親子の会話が、一本の動画になる。Ananyaの作り方。
SNS総フォロワー83万人以上(2025年12月発表時点)。Ananya(アナンヤ・ドナパティ)は、インド生まれ、アメリカ育ちのクリエイターだ。UCバークレーのハース・ビジネススクールを卒業し、Amazon本社で働いた後、2023年に東京へ。独学で身につけた日本語で、英語の表現や文化の違いを発信している。COFFEE CLUBでは、その動画が生まれる自宅を訪ねた。

日本語を学ぶ側から、言葉の面白さを伝える側へ
日本の漫画に惹かれ、独学で日本語を学んだAnanya。語学や文化について発信するSNSでは、英語の言い回しを紹介したり、日本で暮らして気づいたことを動画にしたりしている。複数の言語で生活してきた経験が、日常の小さな違いを見つける材料になっている。
Amazon本社ではプロダクトマーケティングに従事。日本へ移住してからは、動画での発信に加え、日本の美容文化を海外へ伝えるイベントにも登壇している。今回の取材では、その発信を支える普段の作業を見せてもらった。題材は、街で目にした親子の会話だ。
「これ面白いな」を、メモしておく
撮影前、Ananyaはスマートフォンを置く場所を決め、光が入ることを説明する。用意していたのは、親が子どもを叱る場面を演じる短い動画だった。街で見かけた日本とアメリカの親子のやりとりで、声の大きさの違いが気になったという。
面白いと思ったところを、先に書き留めておく。撮るときにはそのメモを確かめ、日本語と英語で演じてみる。本人が見かけた一場面から、動画の着想と撮影がつながっていく様子が分かる。
ほかのコンテンツを見て気になったものを保存し、以前のメモを見返すこともあるという。今思いついたことと、前に面白がったこと。両方を手元に残しておくことが、次の案を探すときの材料になっている。

撮影場所はソファー。短い動画はスマートフォンで
部屋の中には作業スペースもあるが、本人は普段、ソファーで作業することが多いという。ショート動画の撮影に使うのはスマートフォン。三脚の高さを低めにして、いつもの場所に置く。取材では、そこへ光が入ることも説明してくれた。
一方で、YouTubeの映像を撮るための機材にも関心がある。他のクリエイターと出かけたときに、彼らの映像やカメラを見て刺激を受け、新しいレンズを買ったと話す。短い動画で慣れたやり方を持ちながら、別の形式では新しい道具も試している。
撮影環境が整っていても、最初のアイデアは日常のメモから始まる。使うカメラの話と、どんな内容を撮るかという話を分けて聞くと、Ananyaの優先順位が見えてくる。最も大切にしていると答えたのは、見た人が面白いと思える内容だった。
撮りながら、もっと面白くできないか考える
よく見られた動画の話では、軽く浮かんだ案を、その夜に撮り始めた経験を振り返った。途中でカットを入れずに撮ったときには、言い方を変えたくなって何度もやり直したという。
大切にしているのは、内容。入り口に引っかかりがあるか、面白いと思えるか。最初に思いついた案をそのまま投稿するまでの間にも、実際に声に出し、撮り直す時間がある。
ショート動画では、自分の案に加えて、ほかの人が作る新しい内容やトレンドからも着想を得る。それを自分のオリジナルへ組み直せることが、案を出し続けられる理由だと話している。

ショートは作れても、YouTubeでは迷う
一方で、YouTubeでは、何を作ればよいか分からなくなることもあると打ち明ける。いろいろな内容を試している途中なのだという。短い形式でつかんだ感覚が、そのまま別の形式に通じるとは限らない。
以前には、ネタを考えるための教材を買ったこともあった。撮影を実演したAnanyaの口から、まだ方法を探している話も出てくる。得意なことが一つあっても、新しい形式では試し直している。
短い動画から日本語を学び、自分も作る側へ
Ananyaは日本語を学ぶとき、一般の人が自然に話す動画をたくさん見ていた。当時の短尺動画サービスVineも、その一つだった。教科書の表現だけでなく、同世代の話し方に触れていたという。
日本で暮らす前に、自分に合う働き方を探した
日本への移住には、働き方を見直す意味もあった。Amazonでの経験に学びがあった一方、自分のコミュニケーションの強みをもっと生かせる場所を探していたという。
訪日した際には、日本の経営者や、日本で活動する外国人クリエイターに会った。最初から移住後の道筋が完成していたのではなく、人と会う中で選択肢を確かめていった。その後、2023年から日本で生活することになる。
Ananyaが仕事に感じていた面白さは、新しいアイデアを試すと反応が見えることだった。今回の動画づくりでも、まず撮り、言い方を変え、もう一度試している。働く場面は違っても、自分で動いたあとに確かめるという順番はよく似ている。
言葉を覚えた先に、話したい人がいた
日本語に関心を持ったきっかけは、子どもの頃に出会った漫画。言葉を学び続けた理由には、人と話したかったことを挙げる。日本のファッション文化にも、好きな格好でいる人への憧れがあったという。
暮らし始めてからは、周囲に合わせなければと感じたり、外見から性格を決めつけられたりして戸惑うこともあった。新しい言葉や場所に親しんでいく経験には、憧れたままでは済まない時間も含まれていた。

何度も読み返す本と、日常に取り入れたい服
部屋の中で紹介してくれたのは、撮影の道具ばかりではない。21歳の頃から読み返しているという一冊には、人生の先々で役立ちそうな部分を見つけ、その都度目を留めていると話す。読み終えた本をそのまま置いておくのではなく、自分が迷ったときに戻るものとして持っている。
インドの服も好きで、日々の服装にもっと自然に取り入れたいという。撮影では、最近もらった服や、スカーフのように身に着ける布を見せてくれた。日本語で発信する姿だけでなく、どんな服を着たいか、何を繰り返し読みたいかにも、複数の文化とともに暮らす本人の選び方がある。
終盤には、落ち込むこともたくさんあると話す。会社を辞めたあとの不安、自分への厳しさ、コメントを読んだり他の人の活動を見たりして揺れること。そのときは、自分の好きなものへ意識を戻し、人のよいところを見るようにしているという。
街で見た場面を、メモに残す。以前のメモを開き、もう一度、撮ってみる。実演でAnanyaが見せたのは、そうやって次の一本を作る手順だった。
インスタントへの印象が変わった一杯
Ananyaは、普段はインスタントコーヒーを飲まなかった。COFFEE CLUBも、最初はどんな味なのかと思っていたという。実際に飲んでみると、淹れたてのコーヒーと変わらないと感じたと話している。インスタントを選ぶことにも前向きになったという。




